公務員の学歴・経歴

【大卒・高卒】地方公務員の学歴・経歴4パターン+α【院卒・民間】

県庁や市役所の公務員って、大卒の人が多いの?

高卒でフリーターなんだけど、公務員になれるかな?
年齢や学歴的に難しいかな?

公務員になろうかどうか考えている方の中には、こんな疑問を持っている方もいるかもしれません。

今回は、某県庁で働いた経験を踏まえて、地方公務員の学歴や経歴について紹介します。

はじめに―試験区分について【上級・中級・初級など】―

はじめに、公務員試験の区分について、ごく簡単に触れておきます。

地方公務員試験は、大きく分けて「上級」(大卒程度)、「中級」(短大卒程度)、「初級」(高卒程度)に分かれています。

自治体によっては、試験区分の名称が異なるところもあります。例えば東京都は、上級を「1類」、中級を「2類」、初級を「3類」と呼んでいます。
また、中級に相当する区分がない自治体や、上級のみ、あるいは初級のみ募集している自治体もあります(特に小さな市町村の場合)。

それぞれ「〇〇卒程度」とありますが、あくまでも目安であり、年齢要件さえ満たしていれば、学歴は問わないのが一般的です。
※自治体によっては一部例外あり。

とはいえ、上級の筆記試験(専門科目)では、法律・経済学・行政学など、大学で学ぶ内容が出題されることが一般的ですので、(特に法学部や経済学部などの)現役の大学生や大卒の人が有利だと言えます。
※ただし、後述するように、近年は上級でも、これらの専門試験を実施しない採用枠を設けている自治体も多くあります。

受験可能な年齢としては、初級なら17,8歳(高校3年)~20歳くらい、中級は20歳~25歳くらい、上級は21,2歳(大学4年)~29歳くらいのところが多いです(行政職の場合)。

ただし、以上はあくまでもおおよその目安です。
自治体によって受験可能な年齢は異なるので、必ずHPなどで確認しましょう。

それでは、具体的に学歴・経歴のパターンを見ていきましょう。

① 大卒(かつ新卒)

最も王道のパターンでしょう。
都道府県や政令指定都市などであれば、職員全体に占める割合も高く、行政の中心を担う人材だと言えます。

大卒ストレートで入庁すれば、定年までの勤続年数も長くなるため、最終的に上位の役職に昇り詰める可能性も高まります。

年齢要件の関係から、上級区分で採用されるのが一般的ですが、中級区分で入ってくる人もいます。

ローニン
ローニン
僕の同期には、上級試験に落ちてしまったので、中級試験を受験して合格した、という人もいました。

僕のいた県庁では、私立ならMARCH(明治・青学・立教・中央・法政)や早稲田・慶応卒の人が多かった印象です(特に早稲田出身が多かったです)。

地元の国立大卒の人もたくさんいました。
総じて高学歴な人が多かったです。

ローニン
ローニン
中には東大卒という猛者もいました。

② 高卒・短大卒・専門学校卒

高卒や短大卒、(主に公務員試験対策を行う)専門学校卒の人もたくさんいます。

初級区分で入庁するのが一般的です。
一応中級は「短大卒程度」とありますが、試験を突破するのは大卒者が多いので、初級区分で入ってくる短大卒の人も普通にいます。

初級や中級職で入庁すると、上級職に比べ出先機関で勤務することが多いですが、本庁勤務も珍しくありません。
このあたりは本人の希望というよりも、運と能力次第でしょう。

同年代の大学生が遊んでいる頃から堅実に働いているので、偉いなあと思います。

③ 大学院卒

大卒と比べると人数は少ないですが、院卒の人も結構います。
年齢の関係から、ほとんどの場合、上級区分で採用されます。

行政職と比べると、理系の技術職の方が院卒の割合は高いかもしれません。

文系で博士課程まで進学したものの、学者の道をあきらめ、公務員になったという同期もいました。

ローニン
ローニン
文系の博士課程は本当にいばらの道です…

3-1. 法科大学院卒

院卒で最も多いのは法科大学院出身の人でしょう。

司法試験になかなか合格できず、将来的なことを考え公務員試験にシフトするというパターンです。
(まれに司法試験に合格していながら、地方公務員になる人もいます。同期にも一人いました。)

超難関の司法試験の勉強をしてきた人からすれば、公務員試験の法律の問題など楽勝なのでしょう。

役所では法律の知識が求められる業務も多いので、勉強してきた内容が役立つ場面も少なくないと思います。

ローニン
ローニン
僕が新人の頃、課内に法科大学院卒の先輩がいたのですが、法律関連のことで分からないことがあると、上司も含め皆その先輩に聞いていました。

3-2. 公共政策大学院卒

公共政策大学院とは、「公共政策の立案に関わることのできる高度専門職業人の育成を専門とした大学院」(Wikipedia)のことです。
公共政策大学院出身の人は、行政・政策に関する専門的な知識を持っていると言えます。

僕の同期や同僚にはあまりいませんでしたが、入庁すれば幹部候補生として期待されることでしょう。

ただし、若手の頃は専門的な知識を要さない業務を担当することが多いので、学んだ知識を生かせるのは、それなりの役職に上がってからかもしれません。

④ 民間経験者

民間企業を辞め、公務員になる人もたくさんいます。
民間への転職とは異なり、現役の大学生などと同じ条件で採用試験に合格しなければなりません。

ただ、近年では民間経験者が試験を突破しやすいよう、従来型の試験とは別に、筆記の専門試験を廃し、プレゼンや面接を重視した試験を実施している自治体も少なくありません(倍率は従来型よりも高い傾向があります)。

採用後は、新卒組と同様、基本的には新人扱いです。
ただし、給料は職務経験に応じて上乗せされます。

民間経験者は優秀な人が多い印象があります。
彼らが受験しやすい方式の試験があるのも、そういった背景があるからかもしれません。

ローニン
ローニン
ついでに言うと、チャラい…じゃなかった、ノリのいい人も多いです。

番外編+まとめ

他にも様々な経歴の人がいます。

僕の同期や同僚では、県内の市役所を辞めて県庁に入ってきた人や、元俳優という人もいました(役者としてのキャリアに見切りをつけ、安定した道を選んだみたいです)。

このように、公務員にはいろいろな経歴を持った人がいます。
一般に思われているよりも、多様な人材がいるというふうにも言えるのではないでしょうか。

まとめると以下のようになります。

  • 地方公務員試験には上級(大卒程度)・中級(短大卒程度)・初級(高卒程度)という区分がある。
  • それぞれ受験可能な年齢は異なるが、基本的に学歴は不問(一部例外あり)。
  • とはいえ、実際には上級を受験するのは大卒・院卒・民間経験者がほとんど。大卒で中級を受験する人も多い。
  • 高卒や専門卒、短大卒の人は初級を受験することが多い。
  • 民間経験者をはじめ、意外と公務員には多様な経歴を持った人がいる。

なお、初級・中級・上級によって、入庁後にどんな違いがあるのかについては、こちら↓の記事をご参照ください。

【給料・昇進】初級・中級・上級は入庁してから何が違う?【仕事内容】 地方公務員試験の試験区分には、初級(高卒程度)・中級(短大卒程度)・上級(大卒程度)がありますが、入庁後は、それぞれの区分によ...

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ABOUT ME
ローニン
某県庁で5年働いた後、文系大学院に進学。その後、なんだかんだあって雑文家(令和の三文文士)になってしまったアラサー男です。 公務員関連の情報を中心に書いています。noteもやっています。