HSP・メンタル

HSPは電話が苦手?【実体験をもとに、理由と対策を解説します】

電話が苦手!」というのは、HSPあるあるの一つではないでしょうか。

ローニン
ローニン
僕も公務員として働いていたとき、電話にかなりの苦手意識を持っていました。

今回は、HSPの人が電話が苦手な理由とその対策について、HSP気質を持つ僕の実体験をもとに、解説していきたいと思います。

HSPが電話が苦手な理由5つ

HSPが電話が苦手な理由として、以下の5つが挙げられます(僕自身の経験をもとにしています)。

  1. 相手の機嫌に左右されやすい
  2. 相手の時間を奪っていないか?迷惑じゃないか?と考えてしまう
  3. 聞き返すのが苦手
  4. 取り次ぎも苦手
  5. いつ、どんな電話がかかってくるかわからないので常に緊張状態

それぞれについて見ていきましょう。

① 相手の機嫌に左右されやすい

HSPは人の表情や声、雰囲気などから色々な情報を読み取ります。

電話だと相手の顔や表情がわからないので、声の調子だけでどんな様子なのか想像してしまいます。

「怒ってる?」、「イライラしている?」などと少しでも想像してしまうと、神経がたかぶって言葉が上手く出てこなかったり、さらに悪い方に想像がふくらんだりしてしまいます。

対面よりも情報が少ない電話の方が、むだに相手の機嫌をうかがってしまう、ということです。

② 相手の時間を奪っていないか?迷惑じゃないか?と考えてしまう

こちらから電話をかけるときはいつも、相手にとって迷惑な時間帯ではないかとか、繁忙期ではないかなど、色々と考えてしまいます。

こちらも必要に迫られて電話するので、本来はそこまで気にすることはないのですが、どうしても気になってしまいます。

結果的に、電話一本かけるまでに、余計な時間がかかってしまうこともしばしば。

ローニン
ローニン
仕事が遅い要因の一つはこのせいだったと思います。

③ 聞き返すのが苦手

相手の機嫌などを必要以上に考えてしまうため、聞き取れなかった内容を聞き返すのも苦手です。

一度ならまだしも、二度聞き返すのはものすごくストレスがかかります。

結局相手の言っていることがよくわからないまま「わかりました」と言ってしまい、結局もう一度電話して聞き直すという、余計(お互いに)ストレスを感じる事態になることもありました。

そういえば小学校低学年の頃、友達から遊びの誘いの電話(当時は家の電話)がかかってきて、よく内容が聞き取れないまま電話が切れてしまい、かけ直すのがこわくて放置して、どうすればいいのかわからなくて泣いてしまったこともありました。

ローニン
ローニン
やはりこの気質は小さいころから変わらないみたいです。今思うと、どれだけ気が弱かったんだ、という話ですが。

④ 取り次ぎも苦手

さらに僕の場合、取り次ぎも苦手でした。

当然、内容をメモしながら話を聞くのですが、「聞く」のと「書く」のを同時にこなすのが不得手なので、要点をつかめず、よくわからないまま取り次いでしまうことがよくありました。

また話の内容は理解できても、取り次ぐときに端的に内容を伝えられないこともしばしばありました(自分でも何を言ってるのかわからなくなってしまいます)。

HSPそのものとはあまり関係ないようにも思えますが、複数のことを同時にこなすのが苦手という意味では、多少関係しているのかもしれません。

⑤ いつ、どんな電話がかかってくるかわからないので常に緊張状態

出先機関にいたときは、担当業務ごとに電話番号が割り振られていなかったため、自分の業務とは関係ない内容の電話を受けることが非常に多くありました(8割くらいはそうだったと思います)。

当然、電話をしてくる人も内容も様々なため、そのつど柔軟に対応しなければなりません。

しかも、電話番号が表示されないタイプの受話器だったため、電話を取るまで誰がどんな内容でかけてきたのか、全く予想がつきませんでした。

さらに、僕のいた事務所はなぜか電話の受信音が非常に大きく(警報音みたいな感じでした)、音量の調整もできなかったので、電話がかかってくるたびにうるささを感じていました。

こうした要因がかさなり、勤務中は電話対応のことが頭から離れず、常に緊張状態にありました。

無駄に緊張しやすいHSP気質の人間にとっては、結構しんどい環境だったかもしれません。

苦手なのに率先して電話をとってしまう

このように電話に対し苦手意識があったにもかかわらず、電話がかかってくるとすぐにとっていました。

一つは警報音のようなうるさい受信音を早く消したかったため、もう一つは他の人ばかりが電話対応するのは申し訳ないと思っていたためです。
さらに言えば、「若手のくせに電話を取らない」と周りから思われたくなかったから、という理由もあります(まあ、若手が電話番をするのは当たり前ですが)。

上司からも「自分の仕事で忙しいんだからそんなにとらなくていい」と何度か言われました。

ローニン
ローニン
それでも、何秒かたっても誰も電話を取らないときがあると、「自分が出なくちゃ」と思ってしまい、電話をとってました。

苦手なくせに率先して電話に出るという苦行(?)をしていたせいか、どうしてもそちらに気がとられ、電話以外の業務への注意力が削がれている感覚がありました。

対策

電話への苦手意識を少しでも克服したり、ストレスを減らしたりするためには、どうすればよいでしょうか。
当時の僕が実践していたことや、今になって「こうすればよかった」と思える対策をいくつか紹介します。

① メールで済むものはなるべくメールで

苦手なものは避ける、という方法です。

僕も公務員時代、急ぎの用事でないものは、なるべくメールで済ましていました。

ただ、この方法は本庁では割と有効でしたが、出先機関では業務の都合上、相手のアドレスが分からないことが多かったたため、結局ほとんど電話でやり取りせざるを得ませんでした。

② 電話する前に話す内容をメモ→それを音読するイメージで話す

こちらから詳しく話をしなければならないときなどは、事前に話す内容をメモし、台本を読むイメージで話していました。

ただ、これは話す内容がある程度決まっているときだけ有効な方法です。

相手の質問に答えるなど、柔軟に対応しなければならない場面ではなかなか使えません(想定問答を用意するという手もありますが、毎回そこまで準備するのは現実的ではありません)。

③ どんな相手からよくかかってくるのか&どんな内容が多いのか把握しておく

これも大事な点です。
出先機関にいたときは、確かに様々な内容の電話がありましたが、何度も電話をとっていると、だんだん傾向が分かってきます。

自分の業務以外の内容なら、担当の人につなげばよいので、つなぐタイミングや取り次ぎの際に最低限伝えるポイントなどを、なるべく頭に入れておくようにしていました。

こうすることで、苦手な取り次ぎにも多少は慣れることができました。

④ 同僚や上司の話し方や対応の仕方をマネする

電話の対応や話し方が上手い同僚・上司のマネをするのも一つの手です。

HSPの人は観察力がすぐれていますし、他人の振る舞いを模倣するミラーニューロンの働きも活発なので、そこまで難しくないと思います。

ただし、声音や口調までマネするとただのモノマネみたいになってしまうので、気をつけましょう(笑)

⑤ 何回かに一回はあえて電話をとらない

これも①と同様、苦手なことを避ける戦術です。

ただし、職場の中で一番の若手だと、なかなか難しいかもしれません。

自分より若い人が入ってくるまでは、②~④の対策を実践して、電話に慣れるというのも一つの考え方です

⑥ プライベートの場で電話の練習をする

業務上の電話よりも難易度が低く、気楽なプライベートの場で、電話の練習をするのもありです。

例えば、友達と飲みに行く予定があれば、率先して予約の電話を入れてみましょう。

普通の人からすると、「そんなのも苦手なの⁉」と驚かれるかもしれませんが、本当に苦手な人は、居酒屋に予約の電話をするのも緊張します(僕も昔はそうでした。というか今でも「なるべく忙しくない時間帯に電話しよう」とか色々考えてます)。

車の運転で言えば、実際に公道を走る前に、教習所で練習するようなイメージです。

⑦ 電話する頻度が少ない仕事を選ぶ(退職・転職する)

僕がとってしまった、最も根本的かつ過激な方法です(笑)
(電話が嫌だから仕事を辞めた、というほどではないですが…)

どうしても今の仕事が合わないと感じたら、退職・転職するのももちろん一つの選択肢です(精神的につぶれてしまったら元も子もないですから)。

ただ、今の職場でも、工夫次第でうまくやっていけそうなのであれば、働き続けてみるのもありだと思います。

例えば、電話など自分の苦手な業務の少ない部署へ異動を希望するとか、「電話の応対をあまりしない代わりに、これは得意なのでやります」と周りに伝えるとか。
上手くいけば、自分も周りの人もストレスを減らせるかもしれません(適材適所というやつです)。

仕事を辞めるのは(転職するにしても)リスクがあるので、自分の興味関心や性格、金銭的な事情なども踏まえて決断した方が良いと思います。

ローニン
ローニン
もちろん、退職や転職を否定するつもりはありません。

おわりに

今回は「HSPは電話が苦手」というテーマで、その理由と対策を中心に書いてみました。

HSPに限らず、「電話がどうしても苦手!」という人は少なからずいると思います。

最近は、LINEなど電話以外の連絡手段が主流になっているため、電話に苦手意識を持つ人は、特に若い世代の間で増えているのかもしれません。

そんな方たちのために最後に一つ付け加えておくと、僕自身がそうだったように、電話が苦手でも、ある程度場数を踏めば多少は改善できます。

公務員時代、僕以外にも電話が苦手な感じの後輩や同僚がいましたが、1年くらいたつと、それなりにうまくなっていました。

もちろん、うまくなるといったところで、ストレスがなくなるわけではありませんし、元から得意な人にはかないません。

ただ、電話に限らず、どんな仕事でも対人スキルはあるに越したことはないので、(つぶれてしまわないレベルで)経験を積むというのも無駄ではないと思います。

どうしても嫌なのであれば、苦手なことをしない選択肢ももちろんあります。
ただ、その場合は、違った意味での大変さがあるのは間違いありません(今、僕がまさに思い知らされているところです)。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
HSP気質の方をはじめ、電話が苦手な方の参考になればうれしいです。

ABOUT ME
ローニン
某県庁で5年働いた後、文系大学院に進学。その後、なんだかんだあって雑文家(令和の三文文士)になってしまったアラサー男です。 公務員関連の情報を中心に書いています。noteもやっています。