はじめに
公務員って、どんなタイプの人が向いてるのかな?
僕は公務員の仕事に向いてるのかな?
こんな疑問を持っている公務員志望の方は、結構いるのではないでしょうか。
今回は、某県庁で働いていた経験をもとに、「公務員に向いている人」の特徴を4つ挙げていきたいと思います。
公務員に向いている人の特徴4つ
公務員に向いている人の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- コミュニケーション能力が高く、適応力がある
- 事務処理能力が高い
- まじめで計画的
- こだわりがない(=やりたいことがない)
それぞれについて解説していきます。
① コミュニケーション能力が高く、適応力がある
以前の記事でも書いたとおり、公務員は(意外と?)高度なコミュニケーション能力が求められます。
職場内の人はもちろん、外部の役所や企業、市民の方などとかかわる機会が非常に多いためです。
また異動も多く、そのたびに新たな分野の仕事をすることになるため、新しい環境や業務にいち早く適応しなければなりません。
周囲の人たちとすぐに打ち解け、仕事の進め方をスムーズに吸収できるようなコミュ力や適応力がないと、ストレスを感じることになると思います。
② 事務処理能力が高い
コミュニケーションが必要な業務と並んで、公務員はいわゆる「書類仕事」も非常に多いです。
申請書類の記載事項に誤りがないかなどをチェックしたり、エクセルでデータ処理をしたりする業務なども(若手の頃は特に)よくあります。
これらはあまり複雑な業務ではないですが、それだけにスピードと正確性が求められます。
この能力は人によってかなりばらつきがあったように思います。
早くて正確な(=事務処理能力が高い)人もいる一方で、集中力が続かなかったりして、たいして早くもないのにミスが目立つような人もいました。
余計なことを考えず、目の前の仕事に集中して取り組めるタイプの人が適任です。
ちなみに、こういった事務処理能力の高い人は、どちらかというと女性に多かったです。
③ まじめで計画的
公務員の仕事は、年度単位で完結するものが多く、たいてい「どの業務を何月までに終わらせる」という大まかな流れが決まっています。
前もって計画的に進めておけば、期限内に無理なく終わらせられますが、 計画性がないと、期限直前になって慌てて取り組むことになり、遅くまで残ったり、ほかの人に手伝ってもらったりする羽目になります(もちろん、絶対的な業務量が多い場合は、計画的に進めたとしても残業続きになることがよくあります)。
計画的に仕事を終わらせられないと、当然評価も下がり、「仕事のできない人」扱いされてしまいます。
業務量と自分の仕事のスピードを正確に把握し、計画通りに実行できる人が公務員には向いていると言えます。
④ こだわりがない(=やりたいことがない)
コミュ力や事務処理能力、計画性といった要素は、公務員に限らず、あらゆるオフィスワーク系の仕事にとって重要だと思います。
公務員ならではの「向いている人」の特徴を挙げるとすれば、「こだわりがない」、もっと言えば「やりたいことがない」点だと思います。
なぜ、やりたいことがない人は公務員に向いているのでしょうか。
それは、仕事に過度な期待をしないからです。
言い換えれば、仕事を通じた「自己実現」の欲求がそれほど強くないということです。
(行政職の)公務員の仕事は非常に多岐にわたります。
興味のある分野があったとしても、それに関連する業務に就ける可能性は、はっきり言ってかなり低いです。
また公務員の場合、自分の裁量で進められる業務はほとんどありません。
というのも、公務員の業務の大半は法律や条例で定められているため、それにしたがって粛々と遂行するしかないからです。
加えて、行政の組織はきっちりした縦社会です。
基本的には、何をするにも上司の決裁が必要ですし、上に逆らって部下が自分の意見を通せることはほとんどありません。
そのため、自分の「こだわり」や「思想」が強い人は、かなり窮屈な思いをすることになります。
逆に言えば、やりたい仕事がなくても、与えられた仕事をしっかりとこなせる人や、これといったこだわりがなく、上のやり方に黙々と従うことができるタイプの人は、それほどストレスを感じないかもしれません。
「自己実現」のような過度な期待を持たず、「仕事は仕事」と割り切れる人の方が、うまくやっていける可能性が高いということです。
やりたいことがない人は、働くうちに「やりたいこと」を見つけられるかもしれない
「こだわりのない人」や「やりたいことがない人」って、結局自分の意思がないだけなんじゃないの?
このように思う方もいるかもしれないので、ポジティブな面も書きたいと思います。
「やりたいことがない」というのは、一般的には良くないこととされています。
小さいころから、僕らは「夢を持とう」とか「やりたいことをやろう」と言われて育ってきたと思います。
でも、学生のうちから本当に自分のやりたいことを見つけられる人は、どれほどいるのでしょうか。
「やりたいことがない」状態で働き始めるということは、考え方によっては、働いているうちに「やりたいこと」もしくは「やるべきこと」を見つけられるかもしれないということです。
公務員の仕事は非常に幅広いため、たまたま配属された部署の業務が、自分にとって「適職」になる場合もあります。
少なくとも、(異動が多いだけに)その可能性は常に開かれています。
最初は受け身でいやいややっていたとしても、いつの間にかやりがいを感じるようになることだって、ないわけではないのです。
税務関係の部署にいたときの僕の上司が、まさにそういうタイプでした。
その人は民間企業を辞め、やむを得ず公務員になったのですが、税の仕事をしているうちに、やりがいを感じ、いつの間にか税務畑を歩むようになったそうです。
(税関係の業務は、本人が希望すれば残れる可能性も結構あります)
公務員の中で優秀な人は、こういうタイプが多い気がします。
つまり、働くうちに、与えられた業務や裁量の枠の中で「やりがい」を見つけるタイプの人です。
はじめから強いこだわりがない人の方が、その時々でやるべき業務に柔軟に対応でき、働いているうちにやりがいを見つけやすいという意味で、公務員に向いていると言えるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、「公務員に向いている人の特徴」というテーマで書いてみました。
まとめに代えて、僕の独断と偏見と若干の嫉妬をもとに、公務員に向いている典型的な人物像を描いてみます。
- 学生時代、テスト前にきちんと計画的に勉強して高得点を取っていたタイプ(だけど、空気を読んで「全然勉強してないよー」とか言う)。
- 同じく学生時代、クラスメートとわりと良好な関係を築けたタイプ(中心人物ではないが、誰とでもそつなくコミュニケーションがとれ、孤立はしない。スクールカーストの中位)。
- 親や教師には基本的に逆らわなかった。
- ロックは聴かない(いや、普通にロック好きな人いました。完全な偏見です)
もちろん、このようなタイプとは全然違う人もたくさんいました(そうでないと組織として面白味がありません)。
上記はあくまでも、僕の心の闇が生んでしまったステレオタイプです。
これ以上は書かないでおきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。