前回、前々回と、早慶上智やMARCH、関関同立のうち、公務員になる人の割合が高い大学はどこかというテーマで記事を書いてきました。
今回は、関東の有名私立大学の中で取りこぼしてしまった(?)、ICU(国際基督教大学大学)、学習院、成蹊、成城、明治学院について、同じテーマでまとめてみたいと思います。
ちなみに、入試の難易度としては、ICUは早慶(ないし上智)に次ぐレベル、学習院はMARCHとほぼ同じ、成蹊・成城・明学(一括りに「成成明学」とも呼ばれます)はMARCHに次ぐレベルといったところでしょうか。
ちなみに、僕が働いていた県では、ICU、学習院、成成明学出身の人はほとんど見かけませんでした。
大学別・公務員になる人の人数と割合
各大学の就職者数、公務員になった人の人数・割合をまとめたのが以下の表です。
卒業生数 | 就職者 | うち公務員 | 割合 (公務員数÷就職者数) |
|
---|---|---|---|---|
ICU | 664 | 481 | 8 | 1.7% |
学習院 | 2,148 | 1,821 | 125 | 6.9% |
成蹊 | 1,698 | 1,477 | 54 | 3.7% |
成城 | 1,320 | 1,156 | 45 | 3.9% |
明治学院 | 2,809 | 2,496 | 110 | 4.4% |
※「大学受験パスナビ」参照(2019年度。以下の表も同じ)
公務員になる人の割合が最も高いのは学習院(6.9%)で、最も低いのはICU(1.7%)でした。
成蹊や成城は3%台ですが、これは上智(3.7%)と同じくらいです。
卒業生・就職者の母数自体が少ないので、早稲田やMARCH、関関同立に比べると、公務員になる人数はかなり少ないと言えます。
参考として、早慶上智・MARCH及び関関同立の表も載せておきます。
卒業生数 | 就職者 | うち公務員 | 割合 (公務員数÷就職者数) |
|
---|---|---|---|---|
早稲田 | 9,462 | 6,585 | 346 | 5.3% |
慶応 | 6,307 | 4,656 | 140 | 3.0% |
上智 | 2,963 | 2,351 | 86 | 3.7% |
明治 | 7,153 | 5,477 | 362 | 6.6% |
青山学院 | 4,281 | 3,631 | 110 | 3.0% |
立教 | 4,511 | 3,735 | 226 | 6.1% |
中央 | 5,670 | 4,564 | 475 | 10.4% |
法政 | 7,661 | 6,445 | 416 | 6.5% |
卒業生数 | 就職者 | うち公務員 | 割合 (公務員数÷就職者数) |
|
---|---|---|---|---|
関西 | 6,523 | 5,620 | 313 | 5.6% |
関西学院 | 5,921 | 5,109 | 270 | 5.3% |
同志社 | 6,169 | 4,824 | 304 | 6.3% |
立命館 | 7,435 | 5,717 | 399 | 7.0% |
公務員になる人が多い学部は?
各大学の学部別に、就職者数や公務員になった人の人数とその割合を表にしました。
※なお、ICUは学部が一つ(教養学部)しかないため省略します。
学習院の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 437 | 44 | 10.1% |
経済 | 489 | 37 | 7.6% |
文 | 586 | 33 | 5.6% |
国際社会科 | 179 | 7 | 3.9% |
理 | 130 | 4 | 3.1% |
成蹊の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 370 | 29 | 7.8% |
文 | 373 | 15 | 4.0% |
理工 | 270 | 4 | 1.5% |
経済 | 464 | 6 | 1.3% |
成城の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 246 | 22 | 8.9% |
文芸 | 329 | 11 | 3.3% |
経済 | 351 | 8 | 2.3% |
社会イノベーション | 230 | 4 | 1.7% |
明治学院の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 537 | 49 | 9.1% |
社会 | 436 | 26 | 6.0% |
経済 | 572 | 17 | 3.0% |
心理 | 284 | 8 | 2.8% |
文 | 405 | 7 | 1.7% |
国際 | 262 | 3 | 1.1% |
どの大学でも、公務員になる人の割合が最も高いのは法学部です。
ただ、MARCHや関関同立の法学部の場合、多いところでは約20%の人が公務員になっているのに対して、今回取り上げた大学の場合、最も高くても学習院の10%ちょっとです。
おわりに―公務員の割合から各大学のカラーがわかる?―
今回は、ICUや学習院・成成明学における、公務員になる人の人数や割合を、他の有名私立大である早慶上智やMARCH、関関同立などと比較しながらまとめてみました。
調べてみると、学習院は明治や法政、立教と同じくらいの割合(6%台)で公務員になる人がいる一方、それ以外の大学は公務員になる人の数も割合もかなり少ない(低い)ことがわかりました。
公務員になる人数や割合をもとに、各大学を3つのグループに分けることができると思います。
- 公務員との相性抜群!?人数・割合ともにトップの中央(割合:約10%)
- 公務員を目指すのも悪くない? 中位グループの早稲田・明治・立教・法政・関関同立・学習院(割合:5~6%台)
- 公務員を目指すと浮く? 下位グループの慶応・上智・青学・ICU・成成明学(割合:1~4%台)
早稲田や明治、法政、中央など、どちらかといえばバンカラ・堅実・田舎臭いといったイメージのある大学は、軒並み中位以上に位置しています。
今はそうでもないと思いますが、一昔前の感覚だと、そういったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
公務員になる人の割合という点から見てみると、各大学のカラーがはっきりと出ていて興味深いです。
なお、関西の大学(関関同立)の場合、関東の大学ほどはっきりとした違いは見られません。
同志社や関西学院も洗練されたイメージがありますが、東京のおしゃれな大学は別格なのかもしれません。
ちなみに、どの大学でも国際系の学部は、公務員になる人の割合が圧倒的に低いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。