ご存じのとおり、公務員は強固な年功序列制であり、業績による給料の増減もほとんどない、極めて安定した職業です。
おまけに副業も原則禁止されているため、出世する以外に大幅な年収アップは望めません(仮に部長職までのぼり詰めたとしても、せいぜい1,000万円ちょっとです)。
そんな環境で働いている人たちは、やっぱり「ガッツリ稼ぎたい!」とか「お金持ちになりたい!」という動機はあまり持っていないのかな?
こんなふうに思われる方も多いかもしれませんが、実は決してそんなことはありません。
そこで今回は、公務員になる人は「稼ぐこと、あるいはお金自体に対してどのようなモチベーションを持っているのか?」について、某県庁で5年務めた経験をもとに(多少の独断と偏見も交えつつ)書いていきます。
公務員のお金に対する考え方に興味のある方は読んでみてください。
お金に興味ありまくりの公務員、実は多い説(そして株式投資やりがち)
結論からいうと、お金に並々ならぬ興味関心を持っている公務員は結構います。
しかし、副業ができず年収もほぼ固定的な立場でありながら、どうやって稼ぐのでしょうか?
有力な方法があります。
ずばり、株式投資です。
株式投資はあくまでも資産運用という名目なので、副業には当てはまりません。
FXや仮想通貨(暗号資産)なども基本的には同様です。
不動産投資も一定の規模以下であれば可能ですが、少なくとも僕の周りで不動産に手を出している人はおらず、株式が大半でした(おそらく不動産は投資額が大きいのと、管理などの手間がかかるため)。
短期取引で利ざやを稼ぐのか、長期投資で配当狙い(+株主優待)にするかは人によってまちまちですが、いずれにしても株式は公務員にとって、自分の裁量と才覚で金を稼げる数少ない手段なのです。
また、僕が公務員をやっていた時代はビットコインのバブルが起きており、仮想通貨投資(投機?)に手を出している人も一部いました(実は僕も、暴落後に底値と見込んで少し購入し、10数万円の利益が出たところで売り払いました)。
ただし、これらの投資(取引)を業務中に行うのは厳禁です。
20万円以上の所得が発生した場合は、確定申告もしなくてはいけません。
僕の同期や同僚には、こんな感じで株式を中心に投資を行う人が結構おり、中には1年目から生活費を削って月5万投資信託につぎ込んでいる同期もいました(堅実なのか博打打ちなのかよくわかりません笑)。
同期との飲み会で株などの話になることもたまにあり、そんなときはついていけなかった記憶があります。
それだけお金のことを気にする人が多かったということです。
公務員は手堅い職業だからこそ、お金好きな人が集まる説
でも、そもそもそんなにお金が欲しいなら、公務員より稼ぎのいい仕事に就けばよかったじゃん!
こんな疑問が浮かぶかもしれませんが、実は公務員という職業は、お金が好きな人にとってかなりうまみがあります。
なぜなら、給料が減ったり職を失ったりするリスクが限りなく低いからです。
ボーナスも必ず出るため、それを原資に株などにガッツリ投資できます。
ベンチャー起業家や外資系の投資銀行マンなどが「攻撃は最大の防御派」だとしたら、公務員はその逆です。
ドラクエで言えば、防具を優先的に買い込み、戦闘ではスクルトや回復呪文を唱えまくるタイプは公務員向きでしょう(←偏見)。
実は、両者は「攻撃」と「防御」どちらを優先するかが違うだけで、お金への関心が強い(人が多い)点では共通していると思われます。
別の言い方をすれば、公務員になるタイプの人は「お金を失うことへの恐怖が人一倍強い」ということです。
株などの資産運用に興味を持つ人が多いのもうなずけます。
一方、お金(もしくは資産形成)への関心がほとんどない公務員も
とはいえ、もちろんお金に無頓着なタイプの公務員もいます。
というか、公務員はお金に執着しがちな人とそうでない人の差が激しい、というのが実情でしょう。
お金に無頓着な公務員は、次の2タイプに分けられます。
面白いのが、この2タイプは全く正反対の性格だということです。
パターン① 知らぬ間にお金たまりまくり
1つ目のパターンは、お金をあまり使わないために、知らぬ間にものすごい額のお金がたまってしまうタイプの人です。
経済学的に言えば、「消費性向」(所得のうち消費に回す割合)が非常に低いということです。
このタイプの人は株式などの資産運用には全く興味がなく、ほぼ預貯金だけで巨額の資産を築きます。
僕のいた県庁では、30歳にして1,000万円を貯めた人もいました(驚愕)。
物欲がないのか堅実なのか、あるいはその両方かもしれませんが、ある意味公務員のステレオタイプに最も近いタイプと言えます。
パターン② 金遣いが荒い
パターン①とは反対に、金遣いがものすごく荒い人もいます。
文字通り、「宵越しの銭は持たない」タイプです。
ほとんどの場合、このタイプに当てはまるのは男性の職員です。
たいていは酒(飲み会)、女の子のいる店、ギャンブル、車などに使ってしまいます(笑)
僕の後輩には、20代前半で薄給なのに、ローンを組んでかなり良い車を買った人もいました。
そのほか、趣味に没頭しお金を費やす人もいます(いわゆる「オタク」タイプの人など。公務員は多趣味な人も結構います)。
なぜこうした金遣いの荒い人が一定数いるかというと、毎月決まった給料がもらえ、ボーナスも必ず出るからです。
仮にその月の給料を使い切ってしまっても、翌月必ず一定の給料をもらえるのでそれほど心配はいりません。
借金をしてしまったとしても、数十万円程度なら6月と12月のボーナスで十分返済できます。
つまり、公務員は将来にわたり金銭面での不安がないために、散財しやすいということです。
個人的には、これは決して悪いことではないと思います。
というのも、散財しがちな公務員は「消費」という面で景気を下支えしてくれるからです。
地元の店でお金を使えば、普段の業務よりもはるかに地域貢献になるかもしれません(笑)
おわりに―おすすめの本紹介―
今回は、公務員のお金に対する関心度合いについて書いてみました。
副業ができず、給料も基本的にほぼ一定の公務員にとって、株式投資などの資産運用は大きな魅力であることがイメージできたかと思います。
また、消費や資産運用などにお金を全然投じない人と、金遣いの非常に荒い人の両極端に分かれやすい点も「公務員あるある」かもしれません。
公務員に限らず、資産運用をはじめお金の話題にご関心のある方には、こちらの本がおすすめです。
個人としてどう資産を形成するかだけでなく、国全体の経済状況や政策のあり方など、マクロな視点も絡めてお金の本質について解説しており、非常に勉強になります(以下の記事でレビューもしています)。
ちなみに僕の場合、大学院進学のためにある程度お金を貯めていましたが、本来のタイプとしてはパターン②(散財野郎)に近かったかもしれません。
実際の貯金額についてはこちらの記事で書いています。
もし大学院進学という目標がなかったら、今に至るまで酒と女とギャンブルという男の三大悪徳(?)にお金を投じていたことでしょう(笑)
…いや、さすがに誇張しました。
そんなことはどうでもいいとして、最後まで読んでいただきありがとうございました。