自己啓発等休業を利用して大学院に進学する場合、当然試験勉強などの準備をしなければなりません。
しかし、フルタイムで働きながら準備するのは結構大変です。
この記事では、実際に自己啓発等休業を利用して大学院に進学した僕の経験をもとに、大学院入試までの準備やスケジュール感などについて解説します。
自己啓発等休業に興味のある方は、参考にしてみてください。
なお、自己啓発等休業の制度などについては、以下の記事で解説していきます。
ここで書いている内容は、あくまで僕の実体験です。大学院によって入試の時期や試験内容などが異なるので、志望校の情報はよく調べておきましょう。
入試までの準備・スケジュール
僕の場合、9月に大学院の入試があったので、それに間に合うよう準備をしました。
具体的には、大学院の入試説明会に参加するところからスタートし、それから出願の手続きや試験勉強などを進めました。
入試説明会に参加
まずは入試説明会に参加し、大学院での研究内容や試験問題などについて情報収集しました。
僕が受験した大学院は9月に1回目の入試があり、例年その5か月前の4月に入試説明会を行っています。
開催日は土曜日で、会場も自宅から電車で1時間ほどの場所だったので、比較的参加しやすかった記憶があります。
説明会では、大学院のパンフレットや入試の要項、出願書類などが手に入ったほか、過去問も閲覧可能でした(ネット上にアップしないという条件で、写真に撮るのもOKでした)。
また、教職員の方も何人かいるので、直接質問もできます。
日程が合うのなら、ぜひ参加しておきましょう。
僕の場合、(大学院のレベル・研究内容・指導教官などを踏まえて)最初から進学したい大学院を一つに絞っていたので、志望校選びには一切手間暇をかけませんでした。
もし志望校が固まっていないなら、複数の大学院の説明会に参加してから決めるのがいいと思います。
もちろん併願もありですが、社会人の場合、入試の日程や試験勉強の負担などを考えると、一本に絞った方がいいかもしれません。
出願の手続き
入試の1~2か月くらい前に、願書などの必要書類の提出や検定料の振り込みといった手続きをします。
出身大学の卒業証明書や成績証明書なども提出しないといけないので、事前に大学に連絡し、用意しておく必要があります。
検定料の振り込みは平日昼間に銀行で行わなければならなかったので、時間休を取って振り込みに行きました。
ただ、今この記事を書くために今年の入試要項を確認したところ、オンラインでの振り込みが可能になっていました(!)。
コロナの影響なのか、この2,3年で大学院入試もオンライン化が進んだみたいです。
願書の提出や検定料の振り込みは受付の期間が短く、郵送の場合たいてい必着なので、忘れないよう注意しましょう(僕の受けた大学院は、願書の受付期間が一週間ほどしかありませんでした)。
試験勉強
説明会に参加した後、本格的に試験勉強を始めました。
正味の勉強期間は約5か月です。
僕が受験した大学院は、(幸いなことに?)研究計画書を提出する必要がなく、英語もTOEFLなどの成績では判定しなかったので、筆記試験と口頭試験(面接)だけで合否が決まる形式でした。
一発勝負の試験なので、それなりに勉強をしなければなりません。
入試の前年度は仕事が忙しかったのですが、運よく(?)翌年度にあまり忙しくない業務の担当に変わったので、勉強時間をある程度確保できました。
平日は仕事終わりにカフェなどで勉強したほか、休日も必ず数時間は勉強するようにしていました。
試験科目は専門科目と英語の2つ
専門科目は経済学の分野が中心だったので、公務員試験の参考書を引っ張り出して勉強していました。
ただ、本番の試験ではあまり勉強していなかった範囲の問題が出て、かなり適当に書いてしまった覚えがあります…(よく受かったと思います)。
経済理論だけでなく、経済思想や経済史、経済関連の時事的な問題も出題されるので、そうした方面の勉強もしなければなりませんでした。
基本的には各分野の入門書を読んで勉強していましたが、元々こうした分野に興味があったので、それほど大変さは感じませんでした。
どちらかというと、大変だったのは英語の対策の方です。
試験問題は長文読解がメインなので、まずは大学入試用の英語構文の参考書から始めました。
僕が使ったのは、有名な『ポレポレ英語読解プロセス50』です。
大学受験の際にも使っていましたが、さすがに捨ててしまっていたので、買い直してほぼ10年ぶりに解きました。
何周も読み、和訳を書くなどして英語の勘をある程度取り戻した後は、志望校の学部の過去問を解きました。
大学院入試用の問題集はあまり見当たらなかったためです。
また、英作文も出題されるので、その対策もしなければなりませんでした。
参考書として使ったのは、『ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100』です。
あの『ドラゴン桜』方式で、基本英文を暗記して何とか乗り切る作戦をとりました。
まあ、結局100文も暗記できませんでしたが…。
あとは、英語の論文でよく使われそうな単語を暗記するなどして対策しました。
ちなみに、面接の練習はまったくと言っていいほどしていません(笑)
もちろん、ある程度の想定問答(志望動機、研究したいこと、大学時代にどんな勉強をしていたかなど)は用意していましたが、案の定、面接本番ではしどろもどろになりテンパってしまいました。
こんなことにならないよう、面接の練習もちゃんとしておきましょう。
大学院や研究科によっては、社会人向けの入学枠を設けているところもあります。
夜間や土日に授業があるなど、働きながらでも通えるよう配慮されていることも珍しくありません。
一般の入試に比べると、面接や書類審査が重視されるようです。
研究計画書を詳細に書く必要もあるでしょう。
仕事と勉学を両立させなければならないので非常にハードですが、給料をもらいながら大学院に通えるメリットがあります。
一方、自己啓発等休業なら仕事を完全に休むので、一般の入試枠で受験し、進学後も普通のカリキュラムで勉強・研究できます(僕自身も一般の入試枠で受験しました)。その代わり、在学中は無給になるというデメリットがあります。
金銭的な事情も踏まえ、どのような形で進学するか慎重に考えておきましょう。
入試本番―試験日は平日、夏休みを取って受験―
コツコツと勉強を重ね、いよいよ入試本番です。
試験日は平日だったので、あらかじめ夏休みを取得しておきました(公務員の場合、お盆にまとめて休むのではなく、仕事の状況などに応じて、7~9月の間に数日夏休みを取るのが一般的です)。
ただ、職場や自宅から大学院までかなり遠く、前泊する必要がありました。
前日まで普通に仕事があったので、かなりバタバタした記憶があります。
試験前日は着替えや受験票などをスーツケースに入れて出勤し、定時になったら即退勤して電車や新幹線を乗り継ぎ、夜中にホテルに着くという流れでした。
そんなあわただしい状態でしたが、何とか試験に合格できました。
その他(休業・進学直前のドタバタ)
合格後に休業の申請をし、認められた後は仕事の引継ぎをしなければいけません。
後任がすでに職場にいる人ならスムーズにいくのですが、他の部署から異動してくると、3月末にまとめて引継ぎすることになります。
僕の場合、後任の職員が新人だったので、4月1日まで引継ぎできないという状態でした。
もちろん引継ぎの書類は作るのですが、新人の職員がすぐに理解するのは困難です。
結局4月1日に出勤し、ほぼまる1日かけて仕事内容を教えることになりました。
しかも、その翌日に引っ越す予定だったので、余計バタバタしてしまいました。
ただ、3月末は異動・退職する人がたくさんいるので、その流れで僕も休業できたという意味では、そこまで職場に迷惑はかからなかったと思います(後任の新人職員は大変だったと思いますが、前任が退職者や休職者というのは割とよくあるので)。
おわりに
今回は、「自己啓発等休業で大学院に進学する際どんな準備をしたか」というテーマで書いてみました。
これまで書いたとおり、大学院に進学する際は、入試説明会に参加するなどしてしっかり情報収集しておくのが大切です。
また、できれば事前に指導教官にコンタクトを取り、研究内容などについて相談した方がいいでしょう。
僕の場合は、指導教官のアドレスが大学のHPに書かれていなかったので連絡は取れませんでしたが…(ただ、大学時代に講演会などでお会いしたことはありました)。
働きながらだとまとまった試験勉強の時間はあまり確保できないので、半年くらい前から準備しておいた方がいいでしょう。
研究計画書を提出する場合は、さらに入念な準備が必要です。
ただ、実際に休業した僕の感覚からすると、本当に大変なのは金銭的な準備かもしれません(!)
それについては以下の記事で解説しているので、よければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。