当ブログの方向性からは少し外れるかもしれませんが、書かずにはいられないので書きます。
日本が誇る天才音楽家集団、millennium paradeのライブに初参戦してきました!!
いやはや、とにかく凄まじかった。
というわけで、興奮冷めやらぬうちにミレパライブの感想を書いていきます。
はじめに―まさかのチケット当選―
millennium paradeといえば、あのKING GNU(キングヌー)のフロントマン、常田大希が率いる凄腕のアーティスト集団。
今年発売したファーストアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』がオリコンの週間チャートで3位にランクインしたほか、映画『竜とそばかすの姫』の主題歌『U』が週間デジタルシングルランキングで首位になるなど、現在快進撃を続けています。
そんな大人気アーティストのため、「ライブチケットの倍率は相当高いだろうなー」と思いつつダメ元で応募したところ、なんと当選!
思わず仕事中に飛び上がりそうになりました(笑)
というわけで、満を持して参加してきました。
会場に到着
今回の会場は大阪フェスティバルホール。
本来のキャパは約2,700人ですが、コロナ対策のため半分程度の人数に制限されていました。
そのおかげで左右の席が空いており快適でしたが、キャパを減らしたなかで本当によく当選したと思います。
ちなみにこちらが開演前の写真。
そしてこちらが閉幕後の写真です(開演中は撮影禁止でした)。
3階席だったので遠くてよく見えないんじゃないかと心配でしたが、思ったよりもステージが近くに感じました。
むしろ上から全体を見渡せる位置だったので、結構見やすかったです。
意外だったのが、ファンの年齢層が比較的高めだったこと。
20代くらいの人もたくさんいましたが、40代以上っぽい人もかなりいました(中には60代くらいの人も)。
ミレパのメンバーは、僕と同じくほぼ全員が平成初期生まれの世代ですが、上の世代にも人気があるのだと実感。
男女比は3対7か4対6で女性の方が多く、「淑女」っぽい雰囲気の女性も多かった印象です。
確かに、ミレパの音楽性やオーラは、若い女の子よりも人生経験を積んだ女性の心をつかみそうな感じがします。
それはさておき、いよいよ開演。なんだか緊張してきます。
演奏、演出、歌唱、すべてがぶっ飛んでる!
いやー、最初から最後までぶっ飛んでました。
アングラでカオスでありながら、統一感もある。
パンクなエネルギーに溢れているのに、緻密に計算もされている。
そんな印象を一貫して受けました。
いや、こんなふうに言語化してコメントするなんて小賢しいと思えるくらいの没入感。こんな音楽を作ってしまうなんて、本当に恐ろしい人たちです。
特にすごかったのが、石若駿と勢喜遊のツインドラム。2人とも手数が多くて異様なほどパワフルなので、とんでもない迫力でした。
しかもロックからジャズまで何でもできてしまう。化け物みたいなドラマーのコンビです。
キーボードの江崎文武、サックスのMELRAW、ベースの新井和輝の演奏も素晴らしかったです。
特に『2992』の新井先生のイントロは鳥肌モノでした(これを生で聴きたかった!)。
全員ソロの見せ場があるのもGood!
もちろん、ermhoiと某特別ゲストたちのボーカルも言うことなし!
特に某ゲストボーカルが歌う『FAMILIA』は神がかり的でした。
まさかの小ネタも挟むなど、ファンサービスも忘れません。
そしてアジテーター(ラップ・コーラスなど)の佐々木集と森洸大のパフォーマンスも最高にかっこよかった。ミレパのハードボイルドかつパンクな要素はこの2人が担っているといっても過言ではないでしょう。
とはいえ、やはりこのグループの主役は「鬼才」常田大希。
上に挙げた非常にキャラの濃いメンツに囲まれ、ステージの中央に陣取る姿は圧巻!
思わず3階席からひれ伏したくなりました(笑)
常田氏はおそらく、日本の音楽業界におさまる器じゃない気がします。
ゆくゆくは坂本龍一クラス、いやそれ以上の世界的存在になるかもしれません。
ちなみに常田氏、昨年あたりからさまざまな媒体で(King Gnuとしてのものも含め)密着取材やインタビューを受けていますが、その中でも特によかったのがNHKのドキュメンタリー「常田大希 破壊と構築」(2021年1月8日放送)です。
音楽家・表現者としてのプライドと覚悟が恐ろしいほど伝わってきます。
この番組で初めて披露した『2992』も文句なしに素晴らしかったです(以前はNHKの公式アカウントがYouTubeにアップしていたのですが、今は消えてしまっているのが残念です)。
おわりに―ミレパの根底にある「日本的」世界観―
とにもかくにも最高のライブでした。
ミレパのすごさは僕のような音楽の素人では書ききれないほどあるのですが、あえて1つ挙げるなら作品の根底に「日本的」な要素があるところだと思います。
ロックやヒップホップ、ジャズやクラシックなど、あらゆる西洋音楽のジャンルを横断しているのに、明らかに日本人にしか作れない世界観を持っています。
というか、これらのあらゆるジャンルを「メイドインジャパン」としてまとめてしまう(それもこじんまりとまとめるのではなく圧倒的なエネルギーをもって)ところに、ミレパの唯一無二の魅力があるような気がします。
日本的な要素の中でも、とりわけ強く意識されているのが日本人的な「死生観」です。
ファーストアルバムの「THE MILLENNIUM PARADE」を聴くと、そんな印象を否応なく受けます。
それが特に現れている楽曲が『Bon Dance』(直訳すると「盆踊り」!)です。
死者と生者の境目、「あの世」と「この世」の境目が明確でない、それゆえに生者のすぐ近くに死者(あるいは妖怪などの魑魅魍魎)がいる世界観が最高にかっこよく表現されています。
『Bon Dance』に限らず、ミレパの作品には「死と戯れることで生のエネルギーがあふれる」とでもいうような絶妙な魅力があります。
「生と死」という重いテーマでありながら、説教くさくならず、純粋にエンタメとして優れているところも素晴らしい。
ミレパの作品・世界観は、コロナ禍という危機に見舞われた現代に間違いなく突き刺さるでしょう。
まあ、そんな小難しいことは考えず純粋に楽しめばいいんですが。
なお、以下の本はミレパのような優れた邦楽に期待を寄せつつ、邦楽が世界で正当に評価されるためにどうすればいいのかといった議論を展開していて非常に面白いです。
こちらの記事で書評もしているので、興味があればあわせて読んでみてください。
ちなみに来月はD.A.N.のライブに参戦予定です。
チケット代で金欠なので稼がなくては…(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。