大学によって公務員になる人の割合に違いはあるのかな?
某県庁で働いていたとき、職員の出身大学にかなり偏りがあることに気が付きました。
例えば、早稲田卒の人はものすごく多いのに、慶応卒の人はあまり見かけませんでした。
今回は、大学によって公務員になる人の人数や割合にどのくらい違いがあるのか、早慶上智とMARCH(明治・青学・立教・中央・法政)に絞って調べてみました。
公務員になる人が多い大学なら、公務員試験の対策が充実してたり、公務員に関する情報も得やすかったりすると思われます。
公務員試験に向けて、一緒に切磋琢磨できる仲間も見つけやすいかもしれません。
大学受験を控えていて、公務員を目指しているor興味がある方にとっては、参考になるかと思います。
また、自分のいる大学は同レベルの他の大学に比べ、公務員になる人が多いのか気になる方も参考にしてみてください。
大学別・公務員になる人の人数と割合
各大学の就職者数、公務員になった人の人数・割合をまとめたのが以下の表です。
大学 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
早稲田 | 6,585 | 346 | 5.3% |
慶応義塾 | 4,656 | 140 | 3.0% |
上智 | 2,351 | 86 | 3.7% |
明治 | 5,477 | 362 | 6.6% |
青山学院 | 3,631 | 110 | 3.0% |
立教 | 3,735 | 226 | 6.1% |
中央 | 4,564 | 475 | 10.4% |
法政 | 6,445 | 416 | 6.5% |
明治は2020年度、それ以外は2019年度。各大学HP参照(早稲田大学は「大学受験パスナビ」早稲田大学/卒業後の進路(就職者・大学院進学者) |大学受験パスナビ:旺文社 (evidus.com)も参照)
表を見ると、人数・割合ともに、中央が最も多い(高い)ことがわかります。
明治や立教、法政も6%台と、比較的高いです。
早稲田は割合は5.3%ですが、人数で見ると比較的多いと言えます(母数が多いため)。
慶応・上智・青学は人数も割合も少ない(低い)ことがわかります。
都会的で洗練された大学の学生から見ると、地味な公務員は魅力がない(?)ということでしょうか。
公務員になる人が多い学部は?
では、公務員になる人が多い学部はどこでしょうか。
公務員になる人数の多い早稲田・明治・中央・法政の、学部別の割合をまとめてみました。
早稲田の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 592 | 72 | 12.2% |
教育 | 792 | 48 | 6.1% |
人間科学 | 489 | 28 | 5.7% |
社会科学 | 574 | 31 | 5.4% |
文 | 562 | 30 | 5.3% |
政治経済 | 819 | 41 | 5.0% |
文化構想 | 759 | 36 | 4.7% |
スポーツ科学 | 354 | 15 | 4.2% |
理工※ | 490 | 17 | 3.5% |
商 | 829 | 22 | 2.7% |
国際教養 | 427 | 6 | 1.4% |
※基幹・創造・先進理工学部の合計
明治の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 713 | 143 | 20.1% |
政経 | 895 | 74 | 8.3% |
文 | 752 | 43 | 5.7% |
農 | 509 | 20 | 3.9% |
経営 | 702 | 22 | 3.1% |
商 | 906 | 27 | 3.0% |
国際日本 | 402 | 10 | 2.5% |
情報コミュニケーション | 478 | 11 | 2.3% |
理工 | 1064 | 11 | 1.0% |
総合数理 | 249 | 1 | 0.4% |
中央の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 1,152 | 244 | 21.2% |
経済 | 920 | 86 | 9.3% |
総合政策 | 213 | 15 | 7.0% |
理工 | 516 | 30 | 5.8% |
商 | 1,026 | 59 | 5.8% |
文 | 765 | 41 | 5.4% |
法政の場合
学部 | 就職者数 | うち公務員 | 割合 |
---|---|---|---|
法 | 877 | 130 | 14.8% |
現代福祉 | 255 | 25 | 9.8% |
デザイン工 | 219 | 17 | 7.8% |
人間環境 | 352 | 26 | 7.4% |
文 | 687 | 49 | 7.1% |
社会 | 796 | 42 | 5.3% |
経営 | 819 | 35 | 4.3% |
経済 | 948 | 37 | 3.9% |
キャリアデザイン | 361 | 12 | 3.3% |
生命科 | 156 | 5 | 3.2% |
理工 | 345 | 10 | 2.9% |
スポーツ健康 | 156 | 4 | 2.6% |
グローバル教養 | 88 | 1 | 1.1% |
情報科 | 120 | 1 | 0.8% |
国際文化 | 266 | 2 | 0.8% |
法学部の割合が圧倒的に高い
以上の表を見てみると、就職者に占める公務員の割合は、どの大学でも法学部が最も高いことがわかります。
明治や中央にいたっては、5人に1人が公務員になっている計算です。
公務員試験は法律の問題の比率が高いので、法学部から公務員を目指す人が多いのかもしれません。
ただ、経済学も試験問題の配点が高いにもかかわらず、経済系の学部から公務員になる人の割合はそこまで高くありません。
経済学の場合、行政よりも民間のビジネスとの親和性が高く、その分民間志望の人が多くなるのかもしれません。
また、文学部から公務員になる人の割合が思ったより高い印象です(どの大学でも5%を超えています)。
公務員試験の内容からすると、文学部はあまり有利ではありません。
ただ、一方で、ビジネス的なことを学ぶわけでもないので、公務員を目指す人もそれなりにいるのかもしれません。
理系から公務員になる人もいますが、これは技術職の採用枠があるためです。
土木工学や都市工学などの専攻であれば、土木職や建築職として、農学部であれば農業職として、大学で学んだ知識を行政の現場で生かすことができます。
おわりに
今回は、大学や学部によって公務員になる人の割合にどのくらい違いがあるのかについて、関東の有名私立大を対象にまとめてみました。
調べてみると、公務員になる人の割合としては、法学部が最も高いことがわかりました。
ただ、実際に役所で働いた実感としては、それほど法学部出身の人が多い印象はありませんでした(法科大学院出身の人は結構いましたが)。
理系から行政職で入ってくる人もそこそこいたりと、かなり多種多様な学部・学科出身の人がいます。
公務員試験では確かに法律の出題割合が高いですが、きちんと対策をすれば、法学部ではなくても合格点は取れます。
今回の記事の内容を踏まえると、早稲田や明治、中央や法政などの法学部だと、周りに公務員志望の人がたくさんいて、試験に向けてモチベーションが上がるかもしれません。
もちろん、最後は自分の頑張り次第なので、今回の記事は参考までに読んでいただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
各大学の進路に関するデータの参照元は以下の通りです。
早稲田大学:進路データ
慶応義塾大学:就職関連情報
上智大学:2019年度卒業・修了者進路状況報告書
明治大学:2020年度(2020年9月・2021年3月)卒業者の就職データ
青山学院大学:進路・就職状況データ
立教大学:就職・進学データ
中央大学:進路・就職データ 2019年度
法政大学:進路・就職データ