前回の記事では、公務員はズバリ、モテると書きました。

しかし、厳密に言えば、都市部に行けば行くほど、それほどモテなくなる傾向があるように思います。
逆に言えば、地方に行けば行くほど、公務員はモテる、ということです。
今回はその理由について考えてみたいと思います。
※なお、ここでの「公務員」とは、主に地方公務員を想定しています。
理由① 都市部ほど公務員以外の職業の平均賃金が高いから

一番の理由は、都市部の方が民間の平均賃金が高いからだと思われます。
例えば東京には、日系の大企業はもちろん、高給取りのイメージが強い外資系の企業も数多く集まっています。
もちろん、中央省庁のキャリア官僚をはじめ、東京には年収の高い公務員も数多くいますが、やはり相対的には公務員の収入が低く見えてしまいます。
逆に地方では、民間の平均賃金が低いため、公務員の収入が相対的に高くなります。
具体的なデータを見てみましょう。
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」(令和2年度)をもとに、都道府県別の賃金額のトップ5とワースト5を抽出したのが以下の表です。
順位 | 都道府県 | 賃金の額(月額) |
1 | 東京都 | 373,600円 |
2 | 神奈川県 | 335,200円 |
3 | 大阪府 | 320,500円 |
4 | 愛知県 | 314,100円 |
5 | 京都府 | 310,800円 |
順位 | 都道府県 | 賃金の額(月額) |
1 | 青森県 | 240,500円 |
2 | 岩手県 | 245,900円 |
3 | 秋田県 | 246,700円 |
4 | 宮崎県 | 248,500円 |
5 | 山形県 | 251,900円 |
この数字を各都道府県庁の職員の月給と比較してみます。
(各都道府県が公表している令和2年「職員の給与に関する報告」の中で、民間の給与との比較に用いられた額を参照)
都道府県 | 賃金の額(A) | 都道府県庁職員(一般行政職)の月給(B) | 差額(B-A) |
東京都 | 373,600円 | 402,038円 | 28,438円 |
神奈川県 | 335,200円 | 394,907円 | 59,707円 |
大阪府 | 320,500円 | 379,240円 | 58,740円 |
愛知県 | 314,100円 | 383,468円 | 69,368円 |
京都府 | 310,800円 | 377,361円 | 66,561円 |
青森県 | 240,500円 | 348,465円 | 107,965円 |
岩手県 | 245,900円 | 351,136円 | 105,236円 |
秋田県 | 246,700円 | 368,967円 | 122,267円 |
宮崎県 | 248,500円 | 352,469円 | 103,969円 |
山形県 | 251,900円 | 370,004円 | 118,104円 |
都市部では、公務員の給与の絶対額は多いですが、民間との差は小さいことが分かります。
一方地方では、公務員の給与も都市部より低いですが、それ以上に民間の賃金が都市部に比べ大幅に低くなっています。
先ほど「地方では民間の平均賃金が低いため、公務員の収入が相対的に高くなる」と書きましたが、具体的な数字によって裏付けることができました。
・全体的に(B)の方が(A)より高い理由として、(B)都道府県の職員の給与は、各自治体にある従業員数が50人以上の企業の平均に合わせているためだと考えられます。
((A)は「5人以上の常用労働者を雇用する」事業所について集計した数値であるため、50人未満の企業も含まれる)
・また、(A)には正規雇用以外の従業員も含まれていることも影響していると思われます。
・厳密には、(A)の統計の調査対象には「10人以上の常用労働者を雇用する公営事業所」も含まれていますが、基本は民間の賃金額と見て差し支えないでしょう。
(調査方法・対象などの詳細は厚労省「賃金構造基本統計調査」を参照のこと)
理由② 都市部ほど多様な仕事があるから
理由①とも関係すると思いますが、都市部ほど多様な仕事があり、公務員という職業の存在感がどうしても薄れます。
収入や雇用の安定している企業も数多くあるでしょう。
つまり都市部ほど、恋愛・婚活市場における公務員の競合他社(他者?)がたくさんいるということが、理由①と②から想像できると思います。
理由③ 上昇志向の人は都会へ出ていき、安定志向の人が地元に残るから

地方出身で上昇志向にあふれた人は、成功を夢見て都会へ出ていくパターンが多いと思います。
反対に、そこまでガツガツしない安定志向の人は、地元に残ることも多いでしょう。
公務員にも安定志向・地元志向の人が多いため、価値観が合うのではないでしょうか。
これも地方で公務員がモテる理由として考えられます。
反対に、東京をはじめとする大都市には、全国からギラギラした若者が集まります。
そういったタイプの人と公務員は、価値観が合わないのが普通でしょう。
僕の経験談
僕が働いていた県は、都市と田舎の格差が大きいところでしたが、やはり田舎の方に行くほど、公務員のステータスが高くなるように感じました。

地方では若者の就業先が限られており、都会に出ていく人も少なくありません。
そんな中、地元で安定した仕事に就いている公務員は非常に魅力的に見えるはずです。
反対に大都市では、「給料の良い勤め先がたくさんあるのに、公務員になるなんてもったいない」という風潮すら感じられることもあります。
特に高学歴で上昇志向の強い人々の間で、こうした風潮は強く見られます。
まとめ
以上、公務員は都市部ではそれほどモテないのでは?ということを書いてきました。
まとめると以下のようになります。
- 都市部の方が民間企業の賃金が比較的高く、多様な仕事があるため、公務員の魅力が相対的に薄れる。
- 反対に、地方では民間の賃金が非常に低く、勤め先の選択肢が限られている場合も多々ある。
- さらに、地方には安定志向・地元志向の人が残るため、公務員と相性が良い。
- そのため、都市部よりも地方の方が、公務員の魅力は高まる=モテる。
さらに簡潔にまとめるなら、こんな感じでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
